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【感想】サウスパークs22振り返り Creekの今後

 シーズン22は原点回帰とメタネタを含みつつもうまくまとまってる印象。Cancel Southparkというコピーとタイトルの時点で『打ち切りになるのでは』と悪い想像がうかんだが、中期を思い出すアップテンポでカオスな話だった。

テーマは『原点回帰』

 今回は原点回帰がテーマなのか、普段あまりフューチャーされないスタンの姉・シェリーや、タオリーやMr.ハンキーのような古参イロモノキャラが登場している。タオリーフューチャー回の、ランディ&タオリーの共闘で出た「ママに教わらなかったか?」「教わったさ タオルを忘れちゃダメよってな!!」というセリフには10数年ぶりに伏線が回収されたかのような感動を覚えた。巷で言われている通りランディ回は本当にハズレがない。

 そしてメタネタ。マッケイさんがケニーに発した「君は忘れられてるけど、本当は素敵な子なんだよ」。ケニーファンにはたまらないね。

公式BLカップリングが熱い

 わたしがサウスパークに再熱したのはCreekの存在が大きい。Creekというのは、サウスパークの登場キャラであるクレイグとトゥイークのカップリング名。サウスパークのキャラとしては古参でシーズン3から登場しており、二人が喧嘩した回が腐女子の燃料となって細々と二次創作界隈で愛されていた。しかし、作者が偶然そのファンアートを発見。公式の悪ノリ逆輸入により、シーズン19でアジア系腐女子に勝手にカップリングされた結果本当にカップルになってしまった

 ……s22、Creekめちゃくちゃ絡み多い。クライド誕生パーティ回やハロウィン回、エピソードごとにちょい役で共演している。アプリゲームではクレイグが神父・トゥイークが悪魔のコスプレのイベントバナー、ロッカーを開けてBLイラストを集めるという歴戦の腐女子みたいなコンセプトのボックスイベントが開催された。

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 こうして公式でもてはやされているCreekだが、ここまでフューチャーされるとフラグ立てておいて折るんじゃないかと勘ぐってしまう。不条理アニメであるサウスパーク、作者であるトレイとマットのさじ加減一つでキャラクターの運命は流転する。たとえばシーズン6前半ではケニーが死んだまま復活せず、ピップは殺され、スタンとウェンディは付き合っていたが破局した。

 そしてトゥイーク絡みで怖いものといえば父リチャードだ。s06e08やs06e11(誘拐回)、s19e06(トゥイークの喧嘩別れに泣いている)から、ひとり息子を大切に思ってるのはわかる。ピアノ習わせたりおもちゃ沢山買い与えたり、一般家庭らしく写真を飾ったり、モンゴル回でトゥイークがさらわれないかソワソワするくらいには気をかけている。

 でもリチャードは普段からトゥイークの不安を「コーヒー切れだ」って切り捨てたり「ハンドスピナーに集中するんだ!!」って話を聞かなかったりして、基本的に息子の感情に寄り添うことをあまりしない。put it downでのトゥイークは、クレイグに「僕の感情が君を不快にさせるから、僕を遠ざけようとしてるんだろ!?」って八つ当たりしてるんですが、普段からトゥイーク家でのトゥイーク(息子)はそういう扱いなんだと思います。可愛がる時はめいっぱい可愛がるけど、癇癪起こしたりして処置が面倒な時は放っておくペット。「ご心配なく、息子を奴隷に売りますから」とか「バン!お前死んだぞ」とか洒落なのか本気なのかよく分からない脅しをかけてくるし、TFBWだとブレンドに強制協力させてる。頭がおかしいキャラはサウスパークの常識だけど、ランディやジェラルドと違ってリチャードには底知れない怖さがある。共感性に欠如しているか良心がないかしてるから、ロマンチストで愛情深い割に愛情表現の仕方がおかしいんだろう。

 最近のSPは一部から「面白くない」「時事ネタに走りすぎでストーリーが劣化してる」と言われているみたいだ。Creekはまさに"劣化した"サウスパークの時期に生まれたCPなので、「Cancel Southpark」の名の元に破局させられる可能性が高い。トレイとマットが安パイに走るなら、またフューチャーエピソードやって喧嘩して仲直りすると予想する。(202004追記:ブッダボックス……) 

サウスパークの今後は?

 巷ではサウスパークがもう終わるという噂が流れている。シーズン23契約終了後の情報がないため、ファンの間では来年でサウスパーク放送終了なんじゃないかと噂されていたのだ。シーズン22ではキャッチ、ランディの発言、ハロウィン回のラストといい、不穏な雰囲気がひしひしと伝わってくる。

 しかし2021年、米ViacomCBSによって14本の新作映画、シーズン30までの制作決定が報じられた。

southpark.cc.com

英語は異文化への扉を開いてくれる

 わたしは中学時代からサウスパークを追っている。中学生の時は吹き替え版じゃないと台詞の意味がわからなかったけど、今はリスニング力・文法力が成長し、字幕なしでも話を理解出来るようになった。学校の英語教師とサウスパークの話で盛り上がれたりして楽しいし、日本未配信のパンデミック回も原語版で楽しむことができる。

 2022年に25周年を迎えるサウスパーク。今後も英語学習をつづけながら、どのような動きをしていくのか見守っていきたい。