資本論からみるアベノミクス・金融緩和政策の問題点

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本エントリーは、アベノミクス・金融緩和政策の問題点をマルクス資本論」の観点から検証したものです😀

量的緩和政策の問題点は?

アベノミクスの三本の矢とは?

  1. 2%物価上昇するまでの金融無制限緩和
  2. 10兆円の建設国債発行で公共事業
  3. 大企業向け減税と規制緩和の成長戦略

金融の量的緩和とは、日銀が市中銀行金利ゼロのマネタリーベース供給を増やすこと。

しかし……

  • 日本は欧米に比べGDP比2-4倍のマネタリーベースを供給済。効果が薄い
  • ベースマネーが増やせてもマネーサプライは増やせない。リフレ論:名目金利-インフレ率=実質金利 は本当に正しいのか?
  • 量的緩和政策の下でも、消費者物価指数・実質賃金指数・消費者信用供与額には停滞的傾向がみられる。
  • 円売りドル買いで円安が進み、輸出が増える効果は限定的。食糧エネルギー等生活必需品は輸入依存体質なので、円安による輸入価格上昇は庶民生活には悪影響
  • 円安誘導による大企業、富裕層の投機利殖助長

 

アベノミクスの後遺症

政府は、マネタリーベース拡大→マネーストック拡大→民間需要拡大というイメージを描いていた。しかし、マネタリーベース7.4倍、マネーストック1.64倍をたたき出しても民間需要は0.98倍増で、07年水準以下である。

政府は 名目金利-インフレ率=実質金利 の関係においてプラスのインフレ率、マイナスの実質金利を実現するという理論をかかげている。

ここでいう、プラスのインフレ率→企業の現在抱える負債の実質残高現象。マイナスの実質金利→資金調達コスト下げ、設備投資、住宅投資増をもたらす。

しかし……

  • インフレ期待が実現しても賃金は下がっている
  • 消費税増税の影響により家計消費も落ち込んでいる
  • 有効求人倍率はコロナ前まで1.60倍まで上昇していた…しかし有効求人倍率を正社員に限定すると1倍以下。また求人には、ブラック企業の大量採用大量離職も含まれており、実際の就職者数はリーマンショック時以下。
  • 円安で輸出金額は増えても輸出数量は増えていない

 

日本で飢饉は起こるのか?

世界的食糧危機(以前は気候変動問題を想定していたが、現在でいうウクライナ危機のような政治的紛争も含まれる)→輸入食品価格急上昇、貿易赤字拡大→円安進行→金利上昇→政府企業家計の破綻→恐慌発生?

国債、債券価格と利子率とは反比例関係にある。日銀は、金利が高くなりすぎないように高値で買い入れる指し値オペを行っている。金利が高くなると国債返還金額も高くなり、日銀自身の首を絞めることにつながるからだ。

 

資本論における貨幣論

必要流通手段量決定式は 『平均的価格水準P・流通する商品総量T/貨幣の流通総量v=流通手段量M』で表される。

この式自体はケインズ、フィッシャー等の思想にも共通。マルクスの場合は、PT/vが右辺(必要流通手段、貨幣量)を決定すると考える。

マルクスは、紙幣発行について「紙幣により象徴的に表される金が現実に流通しなければならない量に制限されるべき」とする。

金融緩和によって貨幣流通量を増やしても、その中身は平均的価格水準(≒物価)上昇であり、商品取引量を増やすことはできない。そもそもデフレ不況と言われた実態は、紙幣の過小発行→紙幣が代表する価値の物価下落という貨幣的要因ではなく、所得不足による需要不足という実物的要因に基づくものだからだ。

つまり、この場合有用な景気対策の根本的解決策は金融緩和ではなく、むしろ賃上げである。

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